公務員講座

はじめに

自分にパートナーがいないのは間違いなく環境のせいではなく自分に問題があるからだとようやく気づいきましたたつたです.

ここにタイトルを入れる Advent Calendar 2021 - Adventar15日目を担当させていただきます.

前日の記事は石田さんの"極貧乏底辺大学院生の金策"です.

stone-ta.hatenablog.com

面白かったので是非読んでください.読んだ瞬間に「なんで明日自分やねん..ハードルあがってしまう..」と思ってしまいました.

去年紹介してもらったのでお返ししておきます.読んでください

killmina.hatenablog.com

 

12月にこうして記事を書いて見てもらえる機会がありがたいと思いながら一年の総括として書かせていただきます.この記事では主に自分の知識や経験に基づく内容のため,主観的な文章が多めです.このアドカレも僕のネタもいつまで続くかわからないけど,可能な限り参加したい所存です.特に面白さもないですが,最後まで見ていただけると幸いです.文章は3割くらい盛ってるのでそれをあらかじめ頭に入れて読んでもらえるとちょうどいいくらいだと思います.

背景

20年の3月に高専を卒業して2年弱経過しました.最近の主な会話はバイト先の小中学生,バイト友達,講座の事務員となってます.年齢の平均とったらどうなるんだろうか.1年前から全く変わっていません.大学で友達を作ることができませんでした...おそらくコロナ禍のせいなのですが,もしコロナがなくて普通に編入しても多分友達いません.「友達ができなかった理由をコロナ禍のせいにできるからむしろアドじゃね?」とか考えるようになって末期です.大学の成績も悲惨そのものでした.高専ではなんだかんだやる気さえあれば成績は取れていたので自信はあったのですが,大学に登校できずオンラインだけで理解するほどの賢さはありませんでした.「量子力学」と「統計物理学」はテスト前に教科書を買って勉強しましたが全くの手遅れでした.「授業ではプリントを配布しますので教科書は購入しなくても結構です」と言っていた教授は許しません.なんもわからんかったわ.来年もう一回受け直します.自分の勉強法では大学の物理に全く対応できず,自分への自信は消え去りました.高専時代に予備ノリをみて自分にも物理ができると勘違いしていた自分を戒めたいです.

今年のアドカレや大学に編入した友達の多くからコロナ禍における大学生活に失望したという声がありましたが,自分の場合はコロナ禍の大学生活というよりは自分の無能さが曝け出される結果になって絶望という流れです.「好き」と「得意」は全くの別物だし,好きだからこそできないと悔しいものです.「あぁ..ここで打ち止めだな」と素直に打ちのめされました.まるでプフのオーラを見たノヴさんのように.さて,じゃあ就職どうしようかと考えが向くのが普通ですが,就職か未来の自分のポテンシャルに期待して大学院進学か悩みました.未練タラタラです.大学では成績こそカスでしたが,授業自体はなんだかんだ楽しく受けていました.大講義室での授業,自分が優秀になれる実験実習,クセの強い専門の教授.大学という学び場を知れたことはとても有意義でした.

理想としては一生大学に在籍して責任なく興味ある授業だけ受けて教授の講義を批判をすることです.ついでに週2くらいの楽なバイトがあればなお良いです.ただそんな理想は許されません.結果,出した答えがウルトラCの「一年置いて公務員になる」という選択肢でした.突然の飛躍に書いていて自分でもよくわかっていません.公務員の決めてはバイト先のリスペクトしてる法学部の先輩がIoT関連での公務員になるという話を聞いたことでした.その先輩はめちゃプログラミングできる優秀な人で,憧れです.1年開けたのは大学への未練です.「子供が修学旅行に行けなくなり,将来にあるであろう修学旅行の話しに参加できず得られないものの責任を持てない」的な教員のツイートがありました.自分もそうなりそうなのが怖かったです.大学とは決して無価値ではないし,人を成長させてくれる場所です.自分の大学での学習面からみた大学という場所の価値を決めると悲惨なことになります.それが嫌で,一年空いたら状況好転するんじゃね?という希望を後付けの理由としておきます.本当はただの情報収集不足です.

 

のようなことがあり大学編入時では既定路線であった大学院進学をやめました.

現在は大学生協の公務員講座を受講しています.公務員試験のための予備校みたいなものです.最後に塾に通っていたのが15歳だったので,ただ勉学をする場に所属するのは7年ぶりのことで新鮮な気持ち半分,面倒を見てくれるわけではないのでサボり癖がある自分にとってはしんどいが半分くらいの現状です.内容はあとで述べます,まずは決めて以外の動機から.

動機

公務員になりたいと思った決めてはその先輩なのですが,高専を卒業してから自分の中に感じていた「教養不足」という不安が大きいと思います.教養とはなんなのか定義すると難しいのですが,高校の範囲=教養くらいで考えています.高専に入学して得られたことはたくさんあります.と同時に失ったものもたくさんあるのも事実です.社会人になった時に高専卒と大卒ではその教養の有無により人としての質が変わると思います.勝手な妄想です.公務員試験では一般教養と専門の両方が必要になります.講座では一通りの試験対策をしてくれるのでどちらも勉強することになり,自分にピッタリだと感じて申し込みました.最悪全て落ちても勉強に対する投資だと思えばコスパは悪くないと思います.

高専を振り返って

15歳中学3年生の秋,特に進路の迷いもなく自分に見合った偏差値の普通高校を受験すると思っていた自分は高専オープンキャンパスで運命を感じました.自分は一つの目標を立てるとそれ以外のことが見えなくなってしまう癖があります.今でも治っていません.もう7年も前になってしまうので詳細は覚えていませんが,高専を受験することは父親には猛反対されました.大した動機もなく人生の選択の幅を狭める進路を選ぼうとしている子供を反対するのは父親として真っ当なのかもしれません.実際,それを説得するために自分なりに理由を考える必要に迫られました.その時の父親が反対していた理由が「専門バカになる」というものでした.父親は大学で高専出身の人と関わりがあったらしく,その経験則のようです.「必ず大学に進学する」という約束をし進学を許可してもらいました.今でこそ真っ当な反対だと考えられるようになりましたが,当時はあまり理由を理解していませんでした.高専在学中は専門が嫌いになったり興味を示せることに出会えたりと色々ありつつも,無事卒業し,大学に進学することができました.

昨今の電気電子分野の拡大を考えると,7年前の自分の選択は自分の社会的信用を上げるという目的としては間違っていなかったと思います.アルバイト先であったり,初対面の人と会話する中で自分の学校歴を話すと具体的な専門を話す以前にすごいね!と言っていただける機会が高専を出てから多い気がします.それで有頂天になっているという自覚は毛頭ないけど,高専を卒業していること,大学の工学部に在籍していることは少なからずステータスとしての役割を果たしています.

自分は工業高等専門学校を卒業し,今は大学の工学部で専門の勉強をしているんだといえば聞こえはいいですが,その中身とは一体なんなのかをこの2年間は改めて考える機会になりました.

高専の価値は一体なんなのかというのは,あくまで個人の意見ですが「副属性をつけることができる」だと思います.15歳から専門課程の勉強を始め,20歳では専門知識を認められ社会人になることができます.ベースとなる基礎教育の上に専門を積み上げる動作,それが自分における「主属性」になります.それは高専生だろうが大学生だろうが同じ高等教育機関の役割です.高専生は大学生に比べて2年間のアドバンテージがあります.2年間を棒に振ってきた自分が言うのもなんですが,フリーな時間そのものには大きな価値があります.どう使うかは個人の自由ですが.もしさらに専門を積み上げ極めようとすれば専門が副属性になります.パズドラであれば攻撃力1.1倍です.もし,専門以外の副属性を身につけることができれば1.3倍となります.これは人として大きな価値になります.裏を返せばそのアドバンテージを使わなければ高専に行っている意味はとても小さいものになってしまうと思います.

専門を「使う人間」「作る人間」

高専を卒業した者は良くも悪くも,この2種類のいずれかになることを義務付けられていると思います.人生の選択肢を狭める代わりに比較的に安定した社会的地位につくことは卒業さえすればほぼ確実です.それを望んで入学しているのだから,当然と言われればその通りです.「使う人間」と「作る人間」は給与面での優劣はありますが,どちらも現代社会に欠かすことはできません.その割合については高専のようなどちらの人間も作り出すことができる機関が需給のバランスを保つ役割を担っています.卒業して思いますが年度ごとに卒業生の進路の内容がコロコロ変わる学校すごいですね.

高専を卒業して最低でも専門で食べていくことができることを確信しました.その上でちょっと欲張った結果が公務員になりたいという選択です.僕は高専時代に専門の科目を学校以外で勉強したことはほとんどありません.何をしたらいいかもわからないしモチベも0でした.むしろ専門外である歴史とか社会関係の新書を読んでいました.なんだかんだで本棚2列分くらい溜まりました.まだまだ積んでいる本もかなり残ってはいます.公務員になりたかったから読んでいたわけでもないし,自分にはそんな道があると考えたこともありませんでした.専門で生きていくのが高専生なのですが,そこに自信がありませんでした.専門をただ使う人間にはなりたくないのに作る人間になる知識もありません.常に自分の上には誰かがいる5年間だったし,自分が他の人に対して優位になれた思い出なんて数えるくらいです.公務員になれば自分の専門以外の興味がある分野で生きていけるのでは?と思い今日に至ります.

現状からの報告

今は公務員試験に向けての勉強をメインでやっていますが,もし行政職の公務員になったら,高専や大学で学んできたことを用いることはほとんどないと思いますが,僕はそれになりたいです.用いることがないと言うことは決してそれが無駄になるわけではなく,学んできたことを必要としなくても働いて一社会人として認められていることです.その願望はは今のバイトで感じました.今のバイトでは小学生にプログラミングを教えています.高専では僕の代からちょうどバイトで教える内容が実験のカリキュラムに組み込まれていて,面接で経験したことがあると言ったら採用していただけました.しかし,正直にいうと別に小学生に教えるくらいであれば経験していようが経験していなかろうが関係ありません.プログラミング経験が豊富でスキルがあればわざわざ小学生に教えるよりよっぽどお金を稼ぐ手段はあるのでしょう.どちらかというとプログラマーよりは子供が好きでバイトしている人が多いです.未経験でも教えることができるような研修および内容になっています.子供たちのなんにでも興味を持ち好奇心のままに行動できる力は自分にとって刺激となっています.バイトは割と体育会系で時給上げたければ努力しろみたいなスタンスです.内容自体はだれでも教えられる.じゃぁ自分にしか教えられないことって一体なんだろうと考え必然的に「高専で学んだこと」になりました.電子工学科はプログラミング自体の教育はあまり重視しておらず,どちらかというと電気的な内容が多いです.僕は大学では物理を一応専攻してるし,卒研でも半導体をやらせていただきました.そういったカリキュラム以外の内容を教えることができるのことは自分にとっての大きな武器になりました.教育の場ではハードウェアについて知識を持っている人があまりいません.夏休みは小学生に向けて電子工作のイベントを開きました.自分にしかできないことを見つけれたことは大きな喜びでした.公務員は仕事により裁量の大小は変わりますが,仕事として専門を用いるのではなく,そうした付加価値的な使い方でできるなら最高です.ただ贅沢な発想であることは間違いありません.5年間で得たものをプラスアルファにするなら,普段は何で仕事をするんだという話になります.

専門で働かないと言うのは,先の話の主属性と副属性が入れ替わっている状態に等しいです.5+2年間で得たことを副にして主を別のものに置き換える作業が公務員試験の勉強そのものだと思っています.全然間に合ってないけど. 

公務員試験について

前置きが長くなり申し訳ありません.ここからは公務員講座で何を勉強してるかを行政職の主要な5科目について紹介していこうと思います.

出題数が最も多いのはこの範囲です.話している人の中から嘘つきを見つけたり,鶴亀算をしたりと数字を扱う問題全般に渡ります.個人的に印象的だったのが,3変数に対して2つの方程式しか立てられない問題があったことです.こんな問題おかしいだろ!!!とイライラして回答を見ると,2つの方程式+変数は整数となるという条件を用いると解答を出すことができるようでした.これまで物理量を扱って方程式を立てることが多かったのでただただ式の解を出すことしか考えていませんでした,個数を変数で表すと整数になるのは当たり前なはずなのが見落としていた視点でした.柔軟性皆無です.

この科目は日本国憲法の条文,運用とそれらに対する判例がメインになります.「エホバの証人剣道拒否事件」も宗教の自由に関する重要判例となっています.この判例は宗教上の理由で剣道の受講を拒否した学生に対する教育裁量の内容が不適切だったという結論です.学校側からしてみれば敗訴したことが公務員レベルの教科書にまで晒された不名誉な判決ですが,母校が教科書に載っていることはちょっぴり嬉しいです.昔の判例を引用して結論を述べたり,学んでいると科学分野とはまた違った論理的思考が要求されてとても面白いです.あと教員が当たりでした.

これが一番ウェイトが大きいと思っています.賃貸借から離婚まで日常生活に関わる私人間の法律を学びます.勉強方法はひたすらに判例を読みます.法律に明記されているルールも当然存在するのですが,法律のみで判断できる事例などごくわずかで,法律をどのように運用するかは過去の判例に大きく依存しています.裁判を見ている気持ちになるので,裁判員裁判当たらねぇかな〜と思いながら受けていました.

  • 経済

主にミクロ経済学マクロ経済学です.経済学はアダムスミス以降の古典派と世界大恐慌以降のケインズ派に分類されることが多いようです.両学派の批判し合いながらも認め合ってる関係がなんか面白いです.このまえのミクロ経済学のテストで10点満点中1点をとったため棒グラフの形がおかしくなっていました.僕以外の人たちは全員6点以上でした.「理系の人は大概得意なんだけど?」と事務員の方に言われてしまいました.まだまだ要勉強です.偏微分も一応使います.

現段階で始まったばかりなんで割愛.

 

自己顕示欲を出して習った科目のことをタラタラと書き連ねてきましたが,主要と言われる5科目の内で判断推理・数的推理以外の科目は公務員試験では必須ではありません.公務員試験は大きく分けて行政職と専門職に別れるのですが,上の4科目は行政職の専門科目で,専門職の受験には必要ありません.一番倍率が低いのは電気の専門職です.希望は行政職なので勉強はしているのですが,間に合わなければ電気で受ければ良いかと安易な逃げ道を用意しています.

行政職,専門職に共通して受けなければならないのが教養科目になっています.大学受験の延長だと想像してください.僕は逆にこっちの方ができません.勉強していないから.高専微分方程式とか電子回路とかやってたせいで一般教養として扱われている知識不足を実感します.特に哲学なんてカタカナばっかりやし暗記教科を滅ぼしたい.ただ,こういう知識が自分に足りていなかったことだし,大学生に対する劣等感の原因だったと思います.授業を受けたから理解できることでもないし,知識として不十分です.ただ,全く知らないのか冒頭だけでも知っているかは枝葉を伸ばす行為に大きな影響を及ぼします.これからそういう分野に対して興味を抱くかはわかりませんが,これまでの興味を持つチャンスすらなかった自分からしてみれば成長です.

 

試験国家や地方など受験のスケジュールさえ被らなければ複数受けることができ,来年度の4月からはじまり遅くて8月に終了します.全部落ちたら急いで院試の勉強or就職活動をしなければならないのでどこかには合格したいところです.

まとめ

ここ2年間は非常に恵まれた環境に身を置くことができました.バイトを学費などの経費ではなく自分の趣味に投じてバイクを買ったりと自由に過ごしました.この環境を自分は到底完璧に活かせているわけではありません.時間の使い方が下手くそだし,効率よく物事を進めることがすごく苦手です.ただ,公務員試験という目標を自分で立ててからは少しずつではありますが改善できていると自分を評価したいです.専門を積み上げるのではなく広げるという選択をしたことが後々にどう影響するかはわかりませんが,このアドカレみたいにときどきは自分を振り返りながら,軌道修正をしながら進んでいきたいです.

 

一度も社会に出たことのない三食飯付き実家暮らし学生の戯言をここまで読んでいただいてありがとうございます.経験値が浅いため自分の頭の中で考えた内容を文章にしているため,現実との乖離があるのは間違いありません.イライラさせてしまったかもしれません.過去の自分のアドカレを読み直すと理想だな〜〜と笑ってしまう内容もたくさんありました.それなりに時間をかけて書いた文章なので将来の自分に向けてとしての言葉もあります.理想通りの将来になっているか楽しみです.

 

それではみなさん良いお年を.